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「鈑金」と「板金」の違いは?製缶板金加工の方法や板金塗装の仕事内容についても解説

「ばんきん」という言葉はご存じかと思いますが、漢字の表記として「鈑金・板金」の2種類があります。これらに違いはあるのでしょうか?
また「製缶板金加工」や「板金塗装」といった板金に関わる製法や仕事についても解説していきます。

鈑金と板金は何が違う?

まずは「鈑金」と「板金」の違いについて紹介していきます。現在では大きな意味の違いはありませんが、鈑金がなぜ使われなくなったのか解説します。

「鈑」は金属を、「板」は木材を表すもの

漢字としての意味の違いで言えば、「鈑」は金属を伸ばして平たくしたものを指し「板」は木材を平たく加工したものを表しています。そのため、正確に言えば「鈑金」と書くのが正しいと感じる方も多くいます。
それでも「板金」という表記が使われるようになったのはなぜでしょうか。

現在では同じ意味で使われている

最近では「鈑金」の文字はあまり見かけないかと思います。実は「鈑」の文字が常用漢字ではないため、使用されなくなった背景があります。。
しかし、昔から板金の仕事に携わってきたというこだわりを持って今も使われている方もいらっしゃるようで、特に会社名などで「〜鈑金株式会社」のように「鈑金」の文字を残されていることもあります。

製缶板金加工とは?

板金加工の中でも「製缶板金加工」は分けて表記されることがあります。具体的にどういった点が異なるのでしょうか?

分厚い金属の板を加工するものを製缶板金加工と呼ぶ

製缶板金加工は一般的な板金加工よりも厚みがあり、大型のものを製造する際に利用されます。大型のタンクや建造物の鉄骨などがそれにあたり、設備も専用のものが必要です。
特に溶接の工程は、漏れのない高い強度を確保できるよう作業する必要があるため、高い技術力を要求されます。

厚みの境界は7mmであることが多い

製缶板金加工と一般の板金加工の違いは加工する材料の厚みですが、実際は何mmからを製缶板金加工と呼ぶのでしょうか。これは企業や設備によって多少のばらつきはありますが、7mm以上の鉄板を扱う場合に製缶板金加工と呼ばれることが多いようです。
もし自分が何かを製造することになった際は、材料がどのくらいの厚さになるかを考慮して、必要があれば製缶板金加工が可能な加工所に依頼するようにしましょう。

板金塗装の仕事内容はどんなもの?

板金加工の中でも、最も身近にあるのが板金塗装ではないでしょうか。ここでは板金塗装とはどんな仕事なのか、板金塗装の仕事に就くための方法を紹介します。

主に自動車の修理に関わる作業

板金塗装の仕事のほとんどは、自動車整備や修理工場での作業になります。もちろん、メーカーから依頼を受けて板金部品の製作を行い、塗装を行う企業もあります。
ただし、そうした工程は大手メーカーの場合、自社工場で行われていることも多いため、実際に求人などを募集をしている企業は自動車の修理関連を手がけていることがほとんどです。

板金と塗装の2つの作業を行う

板金塗装の仕事は文字通り「板金」と「塗装」を行います。まず「板金」の作業では、車の車体に使われている板金部品の傷や凹みを修復します。
具体的な作業は、修復箇所を引っ張ったり伸ばしたり、パテで埋めたりしながら表面を元通りの状態にする軽微なものから、必要な箇所を切り出してから新しい板金部品を溶接する作業までさまざまです。こうして、板金部品の形状を元通りにした後「塗装」を行う工程があります。
修復箇所の塗装は落とされたままですので、塗装を行うのですが周りと違和感がないように調色を行うことや、周りの部品に塗料が付着しないようマスキングする作業など、必要な工程は多いです。

自動車板金塗装での作業に資格は必要ないが、あると便利な資格は?

板金塗装の作業を行う上で、特に定められた資格を持っている必要はありません。
ただし、こうした仕事に就職したいと考える場合には「自動車整備士、自動車車体整備士」といった車に関わる知識を示すものや「塗装技能士、ガス溶接技能士、アーク溶接技能士」などの技術に関する資格を持っておくことで有利になります。

まとめ

「ばんきん」と言っても漢字の違いや付属する言葉によって、意味や作業内容が異なります。板金の基礎的な知識を知り、そこから具体的にどういった分野の板金工場で働くかを考えましょう。
今回紹介した「製缶板金加工」では、板金の中でも厚みのある鉄板を用いて大型の部品を取り扱います。また「板金」に「塗装」分野の仕事を組み合わせることで、自動車修理工場などでの勤務も可能になります。
これからも多くの業界で必要とされる「板金」の技術を習得することで、さまざまな場所で活躍できる人材になれるのではないでしょうか。

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